ドクターズアドバイス

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No.8 知っておきたい災害時の乳児栄養

東日本大震災から3カ月、東海地震がおこったとき私たちはどうこうどうすればいいでしょうか。

物資が欠乏し、衛生環境が保てない状況下で乳児を守るため、安全で適切な栄養とは?

母乳育児中のお母さんは母乳育児を続けましょう。

ストレスで母乳が干上がることはありません。母乳は完全無欠の栄養を赤ちゃんに与えるのです。さらに、母乳の中の感染防御因子が、非常事態で流行する可能性のある下痢や呼吸器感染から赤ちゃんを守ります。

幼児でも離乳食が手に入るまでの間、頻回授乳で切り抜ける事が可能です。母乳だけで育っている赤ちゃんに必要な災害時支援品は1週間分の紙おむつとおしりふきだけです。


写真:母乳だけで育っている児が必要な1週間分の災害時支給品

人工栄養で育児中のお母さんは、
哺乳瓶が使えない事態を再確認してください。

大規模災害でライフラインが止まった時、粉ミルクや哺乳瓶があっても、安全な水とお湯の準備ができなければ、いつもどおりの授乳を続けることは困難です。

哺乳瓶の洗浄、消毒、調乳を考えると一人の赤ちゃんの1週間に必要な水の量は170リットルという試算が発表されています。避難所生活では不可能な数字です。しかし不潔な操作での調乳は、健康や命を脅かす危険もあります。

哺乳瓶が洗えない時は、使い捨て紙コップを2重にして、80度の湯(サカザキ菌感染予防のため)で、粉ミルクを割り箸で溶き、それをさまして、1重にして授乳すれば、新生児でもカップ授乳をすることができます。

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ただし30%以上はこぼすことを見込んでミルクを用意しましょう。粉ミルクとお湯は正確な割合で調乳し、2時間以内に使います。

人工栄養で育っている赤ちゃんに必要な1週間分の支援品は、紙おむつ、おしりふき、必要量の粉ミルク、調乳および清潔を保つための水、カセットコンロとボンベ7本、授乳回数の2倍以上の紙コップ、授乳回数分の割り箸、やかん、もしくは小鍋、計量カップ、ペーパータオルです。


写真:人工乳だけで育っている児の養育者用の1週間分の災害時支給品