ドクターズアドバイス

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No.32 夏の「蚊」対策

H30.6.18更新

蚊による被害は、かゆみだけ?

いいえ、「地球上でもっとも恐ろしい生物は蚊」と言われるほど、世界では蚊を媒介とする感染症(マラリアなど)で毎年70万人以上が命を落としています。
日本でもデング熱の騒動がありましたね。蚊対策の知識を広げておきましょう。

子どもは蚊に刺されやすい?

蚊は二酸化炭素、汗の臭い、体温に反応して寄ってきます。半ズボン、半袖など露出の多い服装で、戸外で活発に遊ぶ子どもは、蚊の標的とも言えますね。

どうして子どもは、蚊に刺された後がひどくなるの?

大人は、刺された直後にぷくっと膨れ、痒くても1〜2時間後には収まります(即時型反応)。一方子どもは、1〜2日後の方が発赤やかゆみが強く、水ぶくれになったりしこりが残ることもあります(遅延型反応)。
これは蚊の唾液成分に対するアレルギー反応のためで、繰り返し刺されるうちに慣れがでて、学童期くらいには即時型反応に変わっていきます。
小さいうちは、かゆみが長引き、掻き壊しからトビヒになることも。アレルギー対策(ステロイド外用薬)、かゆみ対策(抗ヒスタミン外用薬)が必要です。

市販のステロイド含有虫刺され薬を使用しても、[うちの子、いつもひどくなるわ]という場合は、皮膚科か小児科に相談を。

予防は?

屋外に蚊の発生源となる貯め水を作らないように。
網戸や蚊取り線香、ピレスロイド系殺虫スプレーを使用し、蚊のいない空間を作るようにします。
身体用虫よけ剤を上手に使いましょう(有効成分で使い分け)。
虫よけ剤の使用により、蚊の吸血を避けることが出来ます。蚊は虫よけ剤の有効成分を嫌うため虫よけ剤を塗った人には近寄りませんが、虫よけ剤で蚊が死ぬことはありません。
また虫よけ剤は塗布表面の近くでのみ効果を示すため、虫よけ剤を使用しても蚊は人の周りを飛び回ります。
一般的に有効成分が高濃度に含まれている虫よけ剤は効果が長く持続しますが、発汗、雨降り、水遊び等で濡れた場合は、より頻繁に塗り直しをする必要があります。(日本では、イカリジン15%まで、ディート30%までが認可されています。イカリジン5%とディート10%は、ほぼ同等効果です。)
市販の虫よけ剤の有効成分は、イカリジン、ディート、ユーカリ油などです。

イカリジン

日本では2016年認可、安全性、副作用に問題なく、年齢制限、回数制限なし。ほとんどにおいもなく、合成繊維に対する影響もないため服やストッキングの上からもスプレーすることが可能です。乳幼児に使用する時は、大人の手に取ったものを子どもの皮膚に塗りましょう。子どもから大人まで家族中で使用できて便利です。イカリジンの高濃度製剤(15%)の効力は6〜8時間です。朝、保育園や幼稚園に行く前に1回塗っておけば帰ってくるまで有効なことがメリットですね。蚊成虫、ブユ(ブヨ)、マダニに効果があり、公園などのお出かけには、これで十分です。

ディート

ディート10%未満の製剤の効力は1〜2時間とされますが、塗り直しにより効力を保つことが出来ます。高濃度(30%)の方が持続効果は高いですが、高濃度の製品は肌への刺激が強くなるため、年齢制限、回数制限があることに注意が必要です。12歳未満の子どもは低濃度(12%)まで。6カ月未満は使用不可。2歳未満は1日1回、2〜12歳は1日1〜3回の回数制限があります。多種類の虫(蚊、ブユ、サシバエ、アブ、ナンキンムシ、ノミ、イエダニ、マダニ、ツツガムシ)に有効なため海外旅行、山などのアウトドアにはおすすめ。

ユーカリ油

レモンユーカリ油成分は低濃度ディートと同等効果の報告がありますが、3歳未満の子どもには使用不可。

虫よけ剤を日焼け止めと併用する時は、先に日焼け止めを塗ってから、虫よけ剤を重ねます。