冬の胃腸炎対策
秋から冬にかけて乳幼児に流行する胃腸炎と言えば、ノロウィルスとロタウィルスが有名ですね。
ロタウィルス胃腸炎は、近年予防接種率の上昇に比例し、流行が減少してきた印象です。
一方、予防接種のないノロウィルスは、毎年11月頃から2月の間に流行します。
この時期の乳幼児の吐ぶつおよび下痢便には、ノロウイルスが大量に含まれていることがあり感染源となります。
床等に飛び散った吐ぶつや下痢便を処理するときには、使い捨てできるエプロン、マスクと手袋を着用し汚物中のウイルスが飛び散らないように、ペーパータオル等で静かに拭き取ります。
拭き取った後は、塩素消毒で浸すように床を拭き取り、その後水拭きをします。
おむつや拭き取りに使用したペーパータオル等は、速やかにビニール袋に密閉して廃棄します。
吐ぶつをそのままにしておくと、乾燥したウイルスが舞い上がり、それを吸込むことで感染することもあります。
処理は速やかに、換気を十分に。また、子どもの嘔吐にあわてて、手洗いがおざなりになると、ママの手を介して、あるいは手を拭いたタオルを介して家族内の2次感染を起こします。
手洗いは意識してしっかりおこないましょう。
ウィルス性急性胃腸炎では、特効薬がないため脱水の予防が大切です。
嘔吐の胃液や下痢の腸液にはたくさんの塩分が含まれています。
失った体液補充のためには塩分の多い経口補水液(ソリタT2顆粒、OS-1、アクアライトORS)が最適です。
スポーツ飲料は、胃腸炎による脱水時にはNa濃度が低く、糖濃度が高いため適しません。経口補水液を「塩をかけすぎたスイカの味」と表現した子どもがいます。確かにそうですね。
しかし脱水の時は美味しく感じます。パパやママも二日酔いの時に飲むとわかるはず。
飲ませ方
- 発症後3~4時間以内(軽い脱水のうち)に。
- 1回量5~10ml程度を、約5~10分毎に。
- 吐いた時は、吐き気が治まってから、(30分程度様子を見て)再挑戦。
5mlでも続けて吐くときは受診します。
ただし母乳の子どもは、こまめに母乳を。経口補水液に変える必要はありません。
嘔吐がおさまれば
食事の再開は早くおこない、年齢にあった普通の食事に戻します。
嘔吐・下痢対策
- 経口補水液を早めに利用する
- 嘔吐がおさまれば、普通の食事で再開
- おう吐物などの処理は適切に
- 手洗いを正しく、タオルは共有しない
- 換気を十分に行う
注意事項
- 皮膚に対する刺激が強いため、手やお尻の消毒には使わない。絶対ダメ。
- 漂白剤を作る時は、必ずビニール手袋着用、換気にも気を付けて。
- 酸性の製品と混ぜると有毒ガスが発生します。混ぜるな危険!
- 使用したペットボトルには「消毒液・飲むな・危険」の表示をして、子どもの手の届かない場所で保存する。
- 作った消毒液は時間とともに効果は減少する。こまめに使いきる。
- 金属に使用するとさびたり、床やじゅうたんなど、素材によって変色することがある。