「子どもとメディア」~メディア漬けの予防は乳幼児から~
小児科の待合室で、「スマホに子守りをさせないで」というポスターを見かけたことはありませんか?
テレビ放送が開始されて50年、もう50年なのか?たった50年なのか?
若い世代は今やテレビ離れ、ネット社会で生活を営んでいます。
テレビ、ビデオ、スマホ、ゲーム、これらのメディアに長時間接触することは、成長期の子どもの発達に影響を与えないでしょうか?
乳幼児期の子どもは、身近な人とのかかわりあい、そして遊びなどの実体験を重ねることによって、人間関係を築き、心と身体を成長させます。ところが乳児期からのメディア漬けの生活では、外遊びの機会を奪い、人とのかかわり体験の不足を招きます。
実際、 運動不足、睡眠不足そしてコミュニケーション能力の低下などを生じさせ、その結果、 心身の発達の遅れや歪みが生じた事例が報告されています。
親子が顔をあわせ一緒に遊ぶ時間が、言葉や心の発達を育てていくのです。
私たち小児科医は、子どもとメディアのより良い関係を作り出すために、以下の提言をしています。
- 2歳までのテレビ・ビデオ視聴は控えましょう。
- 授乳中、食事中のテレビ・ビデオの視聴は止めましょう。
- すべてのメディアへ接触する総時間を制限することが重要です。1日2時間までを目安と考えます。テレビゲームは1日30分までを目安と考えます。
- 子ども部屋にはテレビ、ビデオ、パーソナルコンピューターを置かないようにしましょう。
- 保護者と子どもでメディアを上手に利用するルールをつくりましょう。
子ども期は、心と体の基礎づくりの大切な時期です。
自分を信じる気持ちや思いやり、体力・運動機能を育てるには、直接的に人と物にかかわることが欠かせません。
親も子どももメディア漬けになっていませんか?